猫と小説と煩悩と

BL小説書きの日記です。内容にBLを含みますので、閲覧にはご注意下さい。

 

J庭41お礼&フリーペーパー分SS 

J.GARDEN41に参加してきました。
今回で3回目のサークル参加となりましたが、今までにない、嵐のようなひと時でした。
いつもは開場してから少し心の準備をする時間があるように感じていたのですが、
今回はそれがまったくなく。
開場してすぐお客様がいらして、うわぁああってなって、
最初の一時間はほぼずっと、うわぁあああってなってました(日本語とは)
結局新刊も既刊も搬入分はすべて売り切れとなってしまい、
ごゆっくりどうぞとか言っておきながら……と反省しきりでした。
売り切れって嬉しいんだろうなって他のサークルさんを見て思っていたのですが、
確かに嬉しさもあるけど、それ以上に申し訳なくてたまらなかったです。
読みたいって言って下さる方にお渡しできないなんてと、すごく悔しい思いをしたので、
次回はもっと搬入数を増やそうと思います。
折角足をお運びくださったのに、ご用意できなかった皆様には本当に申し訳ありませんでした。
新刊『サーベルタイガーの蜜愛』は、コミコミスタジオさんにて通販を委託しております。

http://www.comicomi-studio.com/boys/mainFrameShowInit.do?share_frame_url=boys/goodsGenreLongReleaseSearchShowInit.do?share_genre_type=0006

現在在庫切れになっていますが、追納の手配をしております。
販売再開され次第、Twitter等でお知らせさせていただきますので、よろしくお願い致します。
次回J庭42にも参加できたら持っていきますね。

既刊『白狼王と愛嫁の初夜』と『5年後のライオン彼氏達』は、
おかげ様で通販分もイベント分も完売しました。
再版の予定は今のところありません……ごめんなさい!
たくさんお手に取っていただき、ありがとうございました。


今回お配りしたフリーペーパーのSSも上げておきますね。
ブラコンな兄上に手を焼いてるベルカントさんのお話です。
作中のマスコットは、以前読者さんから白狼王のウルスとアディヤのマスコットをいただき、
それがあまりにも可愛かったので、そこからヒントをいただいたものです。
お楽しみ下さいv


『サーベルタイガーの獣愛』番外編 
~ブラコン兄上の操り方~

「ルシュカ……。ルシュカは今頃、どうしているだろう……」
 窓の桟に肘をつき、茜色の空を見上げてはため息をつく若き王を見やって、ベルカントは肩を竦めた。
「……そろそろ国境にさしかかる頃かと」
「なあ、ベルカント。早馬を飛ばして見送りに……」
「駄目です。それにどうせ間に合いませんよ、セリク様」
 にべもなく却下する腹心に、セリクがケチ、とわざとらしく唇を尖らせる。ケチって、とベルカントはこめかみを押さえた。
 セリクの弟であるルシュカが、新王の戴冠式に参列するため、夫である獣人族の族長ディオルクと共にこのカーディアを訪れたのが、今から二週間前。
再会を喜んだセリクは弟を引き留め、二人は数日王宮に滞在していた。だが、族長とその妻が長く集落を不在にはできない。
別れを惜しみつつ、ルシュカが帰ったのが数日前。重度のブラコンである王は、それからずっとこの有様である。
 新王に即位したばかりのセリクの元には、他国の使者が次々訪れている。公務は問題なくこなしているものの、合間合間にこうも気もそぞろでは困る。
 ため息をついたベルカントを後目に、セリクが呟く。
「お前はいいよなあ。ルシュカの花嫁姿、ちらっとでも見ることができたのだろう? オレも見たかったなあ」
「……セリク様」
「ルシュカはきっと、どんな姫にも負けないくらい美しかっただろう? 弟を嫁に出すのは業腹だが、せめてそれを祝うくらいはしてやりたかったのになあ」
 ルシュカがディオルクと婚礼を挙げた時、セリクは捕らわれの身であった。
ルシュカの花嫁姿はもちろん、二人の婚姻も後から知ったセリクは、それが悔しくてたまらないのだろう。ルシュカの花嫁姿を垣間見ることができたベルカントに、毎日のようにぼやいている。
 とはいえ、ベルカントもその時は大怪我を負っていて意識が朦朧としていたため、見たと言えるほどではない。再度ため息をつき、ベルカントは仕方がないと懐に手をやった。
「セリク様、こちらを」
 ベルカントが差し出したものを見て、セリクが目を見開く。こほんと咳払いして、ベルカントは注釈をつけた。
「滞在中、獣人族の花嫁衣装についてディオルクに聞いておいたのです。……なるべく忠実に再現しました」
 差し出したのは、フェルトで作られたマスコットである。
青いヴェールと純白の獣人族の花嫁衣装をつけたそのマスコットは、ルシュカを模したもので――。
「……お前、どこにこんな特技隠してたんだ」
 ベルカントからマスコットを受け取ったセリクが、感心しきりといった様子で唸る。
「しかも、なんだか随分作り慣れていないか?」
 二頭身のデフォルメは愛らしく、縫い目もきっちり揃っている上、レースが使われた衣装には刺繍まで施されている。
 しげしげと眺めては、おお、と感嘆の声を上げる王に、ベルカントは少々気恥ずかしくなりながらも答えた。
「妹にせがまれて、時折ままごと遊び用の人形を作ってやっているのです」
「そういえば、お前は妹とは随分年が離れていたな……」
 納得したセリクが、両手でマスコットを掲げ、叫ぶ。
「気に入った!」
「……そうですか、よかったです」
「可愛い‼」
「……どうも」
「もっと作れ‼」
 最後の要求に、ベルカントはため息をついた。
「……そう仰ると思っていました」
 可愛いもの好きなセリクに、今まで手作りのマスコットを見せなかったのは、見せたらこう来ることが分かっていたからだ。余生は可愛いものに囲まれたい、と常々口にしている主は、こういった手合いのものに目がない。
 奥の手を披露したベルカントは、仕方なく頷いた。
「……陛下が政務に精を出すとお約束くださるなら、また作ってさしあげます」
「本当か!」
「ええ。なんならディオルクも揃いで作りましょうか」
 そう言った途端、セリクがうっと言葉につまる。
「あいつを……? あいつをルシュカと一緒に並べるのは癪だが、揃いで飾ったら可愛さは倍増だろうし……」
 なんだかんだで二人のことは認めているが、それでも最愛の弟をかっさらった親友に物申したい気持ちは未だにしっかり残っているらしい。
 ディオルクへの恨みと、可愛さ倍増との間で葛藤するセリクを後目に、ベルカントは執務机に書類の山を置いた。
「とりあえず、次になにを作るかは、陛下がこちらの山を片づけた後にお伺いしますので」
 悩むのは後で、と促すベルカントに、セリクが恨みがましい視線を向ける。
「お前は本当に、オレをこき使うのが上手いよな……」
「ご冗談を」
 自由奔放な主に振り回されているのは自分の方だ。ベルカントは肩を竦め、取り出した便箋にペンを走らせた。手紙の宛先は、もちろんディオルクとルシュカである。
 セリクが葛藤の末、可愛さ倍増の誘惑に負けるだろうことは、長年仕えてきたベルカントには自明の理である。
(こうなったら、ディオルクのマスコットも可愛いと言わせてみせる)
 妙なやる気に火がついたカーディアきっての器用な男は早速、手紙に新郎衣装の詳細を教えてほしい旨をしたためたのだった。

 ~J.GARDEN41フリーペーパー~
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